廃業します

1992年にそれまで勤めていた映画会社を辞めてフリーランスで通訳と翻訳の仕事をするようになりました。通訳ガイド試験も受けて合格しました。でも、もう辞めます。現在は静岡県に通訳ガイドとして登録してあるのでご依頼のメール配信が届いていますが、その組織にも退会したいという連絡を入れました。


海外からの観光客でごった返す観光地の写真や映像見るたび「うわ、嫌だ」と思うようになりました。なぜそう感じるのか、自分でも説明できません。昨年12月に京都からの帰りの新幹線で傍若無人な振る舞いをするアメリカ人観光客を目撃してから、その嫌悪感に拍車がかかりました。


そんな人たちばかりじゃないってことはわかっていますが、とにかく彼らにかしずいて全力で奉仕するライフステージはもう終わった、ということだと思います。もういいよ、やりたくないよ、勘弁してよ、あなたたちとは関わりたくないんです、というような気持ちです。


もともと観光客の通訳ガイドの仕事にはあまり力を入れていませんでした。東京在住時代にやっていたのは、おもにアーティストのメディア対応、つまりインタビューの際の通訳です。この仕事はかなりの集中力が必要で、さらに咄嗟に判断する瞬発力、コミュニケーションを成立させ切る胆力のようなものも求められます。担当するアーティストの作品への理解や知識ももちろん必要。今は病院勤務で海外からの視察や外国人患者への対応をすることもありますが、コロナ以降、それも減りました。通訳としての自分はもうリタイアしたのだという実感があるんです。


でも翻訳の仕事は続けるかな。好きな分野に限定して。もうお金稼ぎたいとは思わない。もちろん生活費は必要ですから、それだけは稼がないといけないけれど、あくせく儲けたいとはまったく思いません。もう少し病院の仕事は続けさせてもらって、みんみんとのんびり暮らせたら、それでいいかな。

ちなみに、1992年からやってきた仕事にはこういうものが含まれています。




玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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