(写真は本題と関係ありません。どれもここ数日間に撮ったもので、どれも私が心を寄せるものばかりです。)
実は、春ごろから下腹部にじんわりと痛みがありました。
急性の膀胱炎は何度も経験していたので、そういう感じではないということはわかっていたのですが、痛みを覚えたところは同じでした。
つまり、経験者なら知っている、あのトイレに行った途端にまた行きたくなる、そのうちトイレから出られないくらいになり、しかも排尿時に激痛という、あの悪夢ではないことはわかったのでした。
だけど、痛い。かかりつけの内科の先生に相談し、尿検査も受けましたが、「オシッコ、きれいですけどねえ」ということでした。そのあと、内科の先生から泌尿器科の受診を勧められました。
それで、悩んだ挙句、時間を作って職場の仲間が推奨する泌尿器科に診察の予約を入れました。
ここは完全予約制で、延々と待合室で時間を無駄にする苦痛がないのは大変にありがたいことです。
しかも院長は私の現在の職場であるがんセンターの泌尿器科で医長だった方だというので、それだけでも信頼感と安心感でいっぱい。なにせ、非常にデリケートな症状で「痛いと言うのは本人だけ」という状況をきちんと理解してくれる先生じゃないと困るからです。尿検査して細菌感染の証拠が出ないというだけで「気のせいじゃないですか」と言い出す医師は、残念ながら、そこら中にいます。
ひととおり検査をしてもらいました。尿検査、尿の残量検査、膀胱の超音波検査。
診断は「間質性膀胱炎」とのことでした。間質というのは、ざっくり言えば臓器の外側を覆う部分で、この「間質性膀胱炎」というのは細菌感染による炎症ではなく、原因は不明とのこと。
最近、増えているそうなんですが、あまり知られていない病気です。そもそも病名さえ知らない内科医も多いそうです。
とりあえず痛み止めを処方してもらいました。しばらく通院し、痛み止めを飲み続け、いよいよ先週、膀胱内の粘膜の状態を見るために内視鏡検査というのを受けたんです。
もう、何日も前からビビってました。
だって、尿道に内視鏡を通すなんて。痛いでしょうよ、絶対。
変な話ですが、大腸の内視鏡検査っていうのもあるけれど、まだ何というか、ああいう管みたいなのが通りやすそうな感じがあるじゃないですか。
でも、尿道って。狭いような気がするし。まあ、見たことないのでわかりませんが。
検査当日。この日を予約したのは、院長の同志的な泌尿器科専門医の女医さんが来てくれるからでした。
女医さんはサバサバした感じの人で、「はいっ、やりましょう!」と元気よく立ちあがりました。
初めて見る泌尿器科の内視鏡検査室というのは、ちょっと産婦人科に似ていました。
あれです。足広げるやつ・・・・。
脱ぐ。座る。先生がスイッチ入れる。椅子の背もたれが自動的に倒れ、同時に足を乗せた台が上昇。
まあ、この時点でもビビっていましたが、この椅子の動きが面白いと思ってしまったのは事実です。
手術の時みたいに、帽子とマスクと手袋で完全武装した院長と女医さんが足の間から見えました。
満面の笑顔でした。
「だいじょーぶ!みんな、痛くないって言ってましたよ」
「そうそう。男の人の方が尿道長いのに、それでも痛くないって言いますもん」
うそ。痛くないって、先生、自分はやったことないくせに。
「みんな、麻酔しなくても大丈夫だって言ってますよ」
なあんて、明るく笑顔で言うから、つい「そうかな」なんて思ってしまったではないか。
事前に説明されたときには「ゼリー状の外用の麻酔薬を使います」なんて言ってたくせに、それ、やらない気なんだね。
などと頭の中で思っているうちに、院長が先端がキラキラ光る(カメラです)管を持って近づいてきました。
観念して目を閉じました。
あっ!
・・・・という間の出来事でした。
うん、変な感じではありましたが、予想したような痛みはありませんでした。
院長が傍のモニターを見ろというので、目を開けてみたところ、ピンク色に波打つものが見えました。
膀胱の中ってこんなんなんだ。
そのあとは女医さんにバトンタッチで、くまなく調べてくれましたが、幸い異常なし。
尿道も異常なし。
「初めて」って誰しも同じ気持ちでありましょう。でも、やってみちゃうとどうってことなかったりします。
なにごとも。
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