秋の色

研究所の創立記念日でお休みだった先週の月曜、八ヶ岳の友人宅に泊めていただいたわたしは、この景色とともに目を覚ましました。


「カーテン開けっ放し」がデフォルトのこの部屋では、季節折々の森の眺めが、窓枠をフレームにして美しい絵となり、常時飾られているのです。友人はまことにうらやましい環境で暮らしておいでであります。このような部屋に泊めていただけて光栄の至り。


リビングから眺められる広い庭(というより、森の一部を所有されているような感じ)の木々も色づいて。夏にお邪魔したときの緑が目にまぶしく、樹勢の強さがひしひし迫ってくるような感じとはまた違って、色も香りも音も優しかったです。

友人が近くの清里へ連れて行ってくれました。平日にもかかわらず、途中の観光名所の赤い橋には観光バスを乗りつけた団体客がゾロゾロ。伊勢への旅のとき同様、団体観光客は「天敵」なので、敢えてここでは停車をお願いすることなく通過。清里も、前日だったらお祭りだったとか、1日ちがいでセーフでした。駅周辺の時代錯誤的メルヘンチックな建物が何だか恥ずかしかったな〜〜。しかし、こういう恥ずかしい建物のペンションがゾロゾロ並んでいるのが清里のイメージではありますが。

まず「萌木の村」というところへ行きました。自然を邪魔しないように個性的なお店が林の中に点在する、いかにも散歩好きの人々にぴったりなところでした。



前日のお祭りの片付けが行われていました。静かな平日で本当に良かった!

秋の花々が花壇を彩っていました。




しかし、静かな散歩を楽しみたいなら平日じゃないと、というのはいかにも残念な気がします。
遊びに来る人々はなぜ目の色を変えてお土産漁りに奔るのでしょうか。なぜ同じ場所に殺到し、同じ名物料理に並び、同じところで写真を撮ろうと押し合うのでしょうか。やめましょうよ、そういうの。自分のペース、自分の感性で選択しましょうよ。

なんて思ったりして。





同じ理由から、これまで訪れることがなかった清泉寮に初めて行ってみました。
平日なのにかなりの混雑。それでも友人は駐車場にすんなり入ったことに驚いていました。「休日だったらこうはいかない」と。うむ、やはり今までここに来なかったことは、ごく無理のない成り行きだったと納得。
ソフトクリーム売り場の長蛇の列を見て、さらに上記の思いを強くしましたが。

ここではもっぱら、友人とひとけのない林の中の散策を楽しみました。
林の中では、たくさんの美しい秋の色と出会いました。












まだまだ歩きたかったけれど、秋の1日は案外短いものです。
午後3時ごろになって、まだランチもしていなかったことをようやく思い出しました。この日のうちに東京へ帰らなければならなかったこともついでに思い出し(!)、友人宅に近い八ヶ岳倶楽部へと戻りました。

ここでは紅葉を楽しみながらお食事♪ 


食事のあとは、暮れていく秋の日を惜しむように、また散歩しました。










あくまでも穏やかに、静かに、秋の色を楽しみました。
鳥のさえずりを楽しんだり、木々の葉ずれに耳を傾けたり。
それから落ち葉の香りや、幹の香りをお腹いっぱい吸い込んだり。
全身で森を感じていると、それだけで十分忙しかったりする。


友人宅を出て帰路につくころには、すっかり暗くなっていました。
友人にも夜の森にも御礼を言って、東京に向かいました。




玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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