お豆腐やさん

今年の春、みんみんとの散歩の途中で、お豆腐やさんを見つけました。家からさほど遠くない近所だったのに、ずっとその存在に気づかずに過ごしてきたことが悔しい!豆腐も揚げも、地元で職人さんが作ったものが一番おいしいんです。スーパーの店先に並ぶのを買うのは、仕方ないとき。



清水豆腐店。
戸田橋のたもと近くにあります。夜7時の閉店間際になると、車で駆けつけて買っていく人たちもいます。(今のわたしもそうなっちゃいましたが)隠れた地元の名店と見ました。
優しいお母さんと息子さん夫婦がやってるお豆腐やさんです。お父さんの姿は見たことがありません。

いつも買うのは、もめん豆腐と揚げ。


もめん豆腐は大豆の香りが強い上に、箸を入れたときに程よい弾力があって、その適度な堅さが柔らかい絹ごしより好きだなあ!いつも冷や奴で半分いただいて、残りの半分はお味噌汁。いつか、昔の日本人みたいに、鍋を片手に「お豆腐ちょうだい!」って言って買いに行きたいな。もちろん、そういうときには突っかけのサンダルばきで、エプロンかけてたらもっとよろしい。そういう日本の正しい主婦になりたい、です(笑

思えば、子どもの頃の仲良しはお豆腐やさんの子ばかりでした。偶然ですが。幼稚園の頃のいちばんの仲良しが、杉本屋のともちゃん。実家から駅のほうへ旧国道を歩くと、ともちゃんの家の小さなお豆腐やさんがありました。ともちゃんはいつも胡麻油のにおいがしましたが、お店の前を通るときには同じにおいがしました。当時のわたしにとってはともちゃんの家まで行くのは大冒険でしたが、その後、ものすごく近かったことを知りました(笑

中学時代の仲良しが坂口屋のさよちゃん。坂口屋は小さな田舎町でももっとも大きなお豆腐やさんで、地元のいくつかの商店に豆腐や揚げを卸していました。さよちゃんの家も旧国道沿いでしたが、ともちゃんの家の方向とは反対側の町はずれにあり、中学生になってもなお、わたしには遊びに行くのは冒険すぎて無理でした。遊びに行ったことはなかったけれど、学校ではいつも一緒にゲラゲラ笑っていました。箸が転んでもおかしい年頃、ってやつです。さよちゃんもいつも胡麻油のにおいがしました。お豆腐やさんのうちの子は、きっと揚げを作るお母さんのそばで育つので、胡麻油の香りが服にしみつくのでしょう。

清水屋さんの店先からも同じ香りが漂ってきます。揚げは本当に絶品で、肉厚で胡麻油の香りが上品。手間をかけていなり寿司も作りましたが、美味しかった!しかし、もっとも美味しい食べ方は……アルミホイルの上にのせてオーブントースターで4分ほど、こんがり焼くんです。アツアツをふうふう言いながらキッチンばさみで一口サイズに切り、まだ熱いうちに醤油をジュワッとかけます。
日本人に生まれて良かった!!






玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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