恵み








昨年の7月に御殿場に移ってから、実家の庭の隅で野菜を育てています。
車庫の脇の小さな畑は、もともと両親が元気だったころに耕しはじめました。
その土地にはかつて茅葺き屋根の家が建っていました。亡くなった祖父母の代まで、うちは農家だったんです。家が建っていた土地のことなので、何十年か経過した今も畑の土はあまり肥沃ではありません。雑草ばかりが育ちます。耕すと小石がゴロゴロ出て来て、なかなか苦戦しています。

土も、野菜も、すべては人が汗して育てなくてはならないことを体で知りました。
汗して育てるからこそ、お返しに恵みをいただいて命を養うことができるんです。
小さな畑ですが、少しずついろいろな種類の野菜の苗が育っています。種から育てたものもあります。
スーパーで買ったカボチャから種をとり、それを播いたら芽が出て、今は立派な花が咲いています。
究極のエコであり、リサイクルです。

素人がやることなので、結構、失敗もしています。虫もたくさんつくし……。
でも、畑から教えてもらうことはすごく多いです。
「美味しい」といえるものはすべてお金で買えるのだけど、「ありがたい」と感じながら食することができるものは、決してお金では買えません。


玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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