日が短い季節は、仕事から帰ってみんみんを散歩させようとすると、すぐにあたりがうす暗くなってしまいます。田舎の黄昏は寂しいものです。街と違って人通りがぱったり絶えてしまい、道の暗さが際立って感じられます。
でも、こんな時間帯にぽおっと灯る街灯がいいんだな!
人家がまばらに点在する田舎道で、ちょっとカーブしていて、できれば少し坂になっているあたりに立つ寂しげな風情の街灯、そういうのがたまらなく好きです。
昔は裸電球に笠がついてるタイプがありましたが、こういうのは川越あたりの裏通りに似合います。トラディショナルな番台のある風呂屋があったりすると、なお良し。今はもう、めったに見かけなくなりました。
このところの主流は蛍光灯。日本中のどんな田舎町にもあるタイプです。ほの白い灯りがぼんやりとひとけのない小さな道を照らしているのを見ると、むやみに家が恋しくなる。この切ないような、悲しいような、寂しいけれどあったかいような感じ、これがいいんです。
昼間、田舎の集落を車で通るとき、上記の条件にぴったり合うナイスな蛍光灯の街灯を見かけると、日暮れどきにはどんなふうに見えるか想像をたくましくします。そして、それを見に来たい、できたらその下を歩いてみたいとさえ思ったりします。
最近はLEDのタイプも増えましたが、やっぱり日本の田舎の黄昏には蛍光灯タイプが似合います。
一方、都会の街灯ってどうしてこう明るいんでしょうか。
東京にいたころ、夜が暗いということを忘れていました。クリスマス前の今の時期、街はイルミネーションに彩られています。そのまばゆいばかりの華やかさも、夜の暗さがあってこそ。
人の生き様もまた、そんなようなものです。
闇がおりる頃に、ほんのりとひとけのない道を照らす寂しい風情の街灯が好きです。
0コメント