入浴剤








実は、ずいぶん前から入浴剤にちょっと凝っています。「白湯(さゆ)には入らない」と豪語したこともあります。やっぱり入浴剤を入れると湯冷めしにくいので、冷え性(女性はほとんどみんなそうですが)に悩んでいた時期に入浴剤を使うことを習慣にしました。効き目はたしかにあると思います。

bath saltというくらいで、外国製の塩分を含んだものも愛用していた時期がありますが、効能はたしかですごく体があったまるものの、お風呂そのものにはよろしくないため、残念ながらリピーターにはなりませんでした。蔵王温泉に行ったときに本物の「湯の花」を購入し、自宅で「本物の温泉」を堪能していたこともあります。ご想像通り、お湯を流したあとも硫黄の香りが残ってしまうし、排水が心配だったし、これもリピーターにはなれませんでした。学生時代の親友が和歌山県の材木問屋の娘で、嫁いだ同業者のお宅に遊びに行ったとき、ご主人から本物のヒノキ・オイルをいただいたことがあります。お風呂に数滴たらしただけで、マンションのユニットバスが目を閉じればヒノキ風呂。大好きでしたが、湯冷め関連の効能がいまひとつで、これまた1瓶限りのおつきあいでした。

日本人なら誰でも知ってるバスクリン。トラディショナルなあれの香りには、銭湯に通っていた頃にそこで使われていたりすると、たまらなく郷愁を誘われたものです。仕事で麹町界隈をウロウロしていたときにツムラの本社前を通り、「これがあの!」と長年お世話になった感謝の気持ちを込めてビルのロゴを見つめたりしました。その後、類似品のバスロマン登場。お値段が少しお手頃なこともあり、あっという間にメジャーになりました。種類もたくさん増えた上にフーミンのCMがヒットして(たしかにセクシーでした)、バスクリンをしのぐ人気ブランドにのし上がりました。でも、何となく「バスクリン=王道、バスロマン=新参者」みたいな図式が頭から離れずに今日まで至っているのは、う〜む、やっぱり昭和生まれの日本人だな。

もちろん今や入浴剤業界も群雄割拠、何でもあります。最近愛用しているのは無印良品のバスソルト「ローズマリーの香り」。お値段もお手頃だし、容器がシンプルで浴室シーンを変な感じにしないし、何と言っても癒される香りが素敵です。ただ冷え性には大敵の真冬の保温効果はちょっと物足りないかも。クラシエの「旅の宿」も定番化して久しい感があります。よく景品として頂戴します。各地の温泉の名を冠したイメージを使うというアイデアが素晴らしい一方、これまた若干効能的には物足りない。残念です。

効能の面でダントツの炭酸系なら、ぜったいにツムラの「効き湯」シリーズ。夏場のブルー(しかもブルー系だけで2色のバリエーションがある)のやつは優れていました。湯上がりがさらっとしていて、ほてらないんだけど、肩こりや腰痛を癒してくれる効果がバツグン。「バブ」のシリーズも捨てがたいんですが、効果の点では「効き湯」に軍配です。タブレット型のやつは、なんか1回に1個というシステムがもったいない感じもするし。これも昭和生まれの体質ゆえ。

タブレット型でもメジャーな「バブ」ではない、ちょっとお手軽なものもあります。寒くなってから愛用しているのが「温泡(おんぽう)こだわりゆず」。炭酸効果であったまるし、ゆずの香りがたっぷりで癒し効果満点。ゆずの香りに4種類のバリエーションをつけているところも楽しい。冬至の夜には「今日はぜったい完熟ゆず♪」と意味もなくこだわり、本物のゆずを1個おまけに浮かべて気分だしたりしました。

昨今の入浴剤のバリエーションの豊かさには本当に目を見張るものがあり、選ぶ楽しさも倍増なのですが、最近出会っちゃったのが「大人のバスクリン」。本家ツムラも攻めに出たな〜と感心しつつ、「ミッドナイトフラワーの香り」なるものを購入してみました。ちょっとパープルがかった白濁系で、何というか、最近流行の柔軟剤にも共通するローズ系のやや強めの香りですが、イヤな感じがするほどではありません。乾燥の季節で肌が潤うタイプを買おうと思っていて、やっぱりストレートな保湿系だけではつまらなくて、これを試してみることにしました。ほっとする時間を持てます。結構好きです。名前のとおり、おこちゃまには似合わないし、良さがわからないかも。

今夜は何湯に入ろうかなあ。




玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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