「奥さん」か「マダム」でお願いします


ヴェネチアのアカデミア近く。このあたりは静かで良かった。



ヴェネチアの路地裏で。さりげないけど記憶に刻まれた風景。



ヴェローナの駅には泣かされた。通路からホームに上がるエレベータ故障中で。



イタリアに行ってきました。久しぶりの外国でした。リフレッシュしてきました。

イタリア北部をウロウロした9日間。心地よかったことも、心地よくなかったことも、両方ありました。
心地よかったこと。それは。

出会ったさまざまなふつうの人々、つまりはお店の店員さん、ウェイトレスさん、ホテルで働く人々、駅員、美術館でチケット売る人などなど。
そういう人たちから「マダム」とか「セニョーラ」と呼ばれたこと。
なぜ心地よかったかというと、日本にいるとそうじゃないケースが多いからです。

では、日本では何と呼ばれるかというと、「おかあさん」とか「おばさん」。
特に「おかあさん」は嫌だな。あたしゃ、あんたのおかあさんじゃないし、誰のおかあさんでもないよ。
同様に、男性に対しても「おとうさん」って平気で声をかける人が多い。
「おとうさん、これうまいよ、ひとつどう?」
なんて感じでお店の人が客の男性に声をかけたりする。

日本人の「甘えの構造」です。
大人の男性、女性に対して「旦那」とか「奥さん」とか敬意をもって対峙できない。
中年だからきっと誰かの「おとうさん」でしょう。「おとうさん」って、いつも呼ばれている人でしょう。
この人はきっと「おかあさん」っていつも呼ばれているに違いないから、「おかあさん」でいいや。

大人の女性なので、せめて「奥さん」でお願いします。
誰の「奥さん」でもないけどさ。
「おかあさん」よりはだいぶマシです。



玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

0コメント

  • 1000 / 1000