台風19号が接近してきました。先週も大型の18号が襲来したばかり。
強風が吹き荒れる前に、昨日は庭のコスモスを引き抜いて片付けました。コスモスは風に弱いんです。まだ花が残っていたので可哀想だったけれど、先週の台風ですでに斜めになっていたし、車を停めたときに倒れかかってはいけないので決心しました。
子どもの頃から庭にはたくさんのコスモスが咲いていました。
すでに亡くなった祖父と祖母が秋の畑仕事をするかたわらで、コスモスの葉っぱをガラスのコップに入れて眺めたり、香りを嗅いだりして遊んでいました。青臭い香りなのですが、なぜか特別な飲み物のような気がしたのです。大人が飲むというカクテルとは、このような不思議な香りがするのではないだろうかと想像していました。そのようなおかしな想像を巡らせるのが好きな子どもだったんです。祖父が敷いてくれたゴザの上でままごと遊びをしながら、ひそかにカクテルとはどのようなものかを想像する田舎の女の子。それがわたしでした。
今でも、コスモスの花の香りと稲刈りの季節ならではの乾いた藁の香りは、わたしの中で渾然一体のセットになっています。懐かしいコスモスが咲く庭から、かつて祖父母が使っていた台所部分を改造した自分の住まいを眺めました。ここで1年暮らしました。あと1年後には、これも姿を消して、ここに新しいわたしの家が立ち上がっているはずです。発展のためなのだから、祖父母も許してくれるでしょう。
来年はコスモスの花越しに新しい自分の家を眺めます。すでにたくさん種を落としたようですから、来年もいっぱい咲いてくれることでしょう。
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