Jesse




ふいに Jesse のことを思い出しました。ギタリスト Char の息子です。RIZE というロックグループのヴォーカリストで、最近は地元の戸越銀座でショップ経営もしているようです。オシャレだからね。

意外かもしれませんが、このRIZEというグループ、結構好きです。
http://www.triberize.net
おや、今月はずっとツアーやってんだね。明日は岐阜の中津川だ。また、シブいところで。

いつだったかな。RIZEのビデオ撮影の打ち合わせで通訳を務めました。
監督さんが香港の人だった。すみません、名前忘れました。でも、すごい斬新な映像撮る人だった。
リーダーでギターとヴォーカルのJesse は英語が上手なのだけど、というかアメリカ国籍で本名も Jesse MacFaddin (ジェシー・マクファーデン)というそうなのだけど、なぜか通訳がいたほうが良いということになりました。回りの方々の事務的な会話もあるし、彼も細かいことになると、日本語でも英語でも「わかんねえ」となるので、通訳みたいな存在がいたほうが良いという判断は正解でした。

自由が丘のスタジオでリハーサルをやるので、そこへ来て欲しいと言われました。
暑い日でした。監督さんと一緒にスタジオの中、つまり彼らが演奏しているまっただ中に入れてもらいました。暑い日な上に熱い演奏で、ハタにいるだけで汗だく。この頃のRIZEはベーシストがトキエちゃんという女の子で、観音さまみたいな静かな微笑を浮かべながら、ウッドベースをビシビシ弾いてロックしてた、というのがすごく印象的でした。

狭いスタジオに、半裸の若者たちの熱気が充満しました。激しい演奏、弾けつづける音とリズム、そういう中にいる自分がとても不思議でした。友人の元ギタリストが Char と長いおつきあい、というくらいなので Jesseは息子と呼べるような世代なのですが、彼が繰り出すパワーがすごく快感でしかも圧倒的にポジティブで、すごく良かった。なんか、めったにない健全なバイブレーションでした。そういうのに全身で浸るというのは悪くないのです。

おばさんね、パワーもらいましたよ、久々に(笑)。

リハーサルが終わって、流れる汗をタオルでぬぐいながら、Jesseがわたしのそばに座りました。
監督さんも彼らの演奏にインスパイアされて、さまざまなブッ飛んだアイデアを出してくれまして、それはもう面白い打ち合わせとなりました。
そのとき話の流れで、Jesse がふいにわたしのほうを向き、「ねえ、万里の長城って何?」と言ったんです。
えっ、まさか、知らないの!?さすがは連続退学の猛者、とひるみそうになりましたが、すぐに彼が「万里の長城は英語で何と言うのか」と尋ねていることに気づいたのは幸いでした。そうか。英語が母国語であろうと、学習した知識の集積は日本語でやったんだね。

相当やんちゃしてきたようだけど、どんなにワルぶっても、どんなにアナーキーな歌詞吐いてみせても、あなたが「いいこ」だって、わかっちゃってますよ。
ふつうにしていればイケメンなのに全身タトゥーだらけにして、ワルな空気出そうとしてますが、Jesse がやってるRIZEは正しい日本のロックです。




玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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