先日、大好きなNHK BSの「日本縦断こころ旅」を見ていたら、大阪を旅する火野正平さんがお好み焼きを美味しそうに召し上がっていました。そのソースたっぷりの映像を見て、思い出したことがあります。
埼玉県和光市である研究チームのアシスタントをしていた頃、実験などの手伝いをするテクニカルスタッフの女性からお好み焼きを食べに行こうと誘われました。それで、同じ研究室の外国人研究員2名と偶然来日していた彼らの友人を伴い、5人で駅前のお好み焼き屋へ行きました。
マゼマゼして、ふっくら焼いて、こんがりしてきた頃にソースをたっぷり・・・のはずでした。
美味しそうな香りに刺激され、期待に胸ふくらませる「お好み焼き初体験」の外国人3人組の目の前で、私がソースをしたたらせるハケを持ち上げたその瞬間。
「あっ!あんまりソースつけない方がよくないですか?」
言い出しっぺの彼女がふいに大きな声を出して、私を制止しました。
何を言う。ソースをたっぷりつけないお好み焼きなんて、あるのか。
「ほら、こういうのって、やっぱり、あんまりたくさんつけると体に良くないし」
誘ったのはオマエだろうが。そんならお好み焼き食べたいなんて、言ってはいけない。
彼女を無視し、ソースも青のりもマヨネーズもたっぷりつけてやりました。
そして、彼女とは二度とこういう店には来るもんかと思いました。
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先週の日曜日に、現在の同僚の女性に近くのショートコースに誘われました。パー3ばかりの9ホールをぐるぐる回るアレです。彼女は東京に家(と夫)があり、毎週金曜の夜に東京に戻り、日曜の夜にこっちへ来て、また1週間仕事するという単身赴任生活を送っています。東名の集中工事で渋滞がイヤなので、珍しくこちらで週末を過ごすことにしたため、前から気になっていたこのコースへ行こうという気になったようでした。
10月とは思えない暑さと湿度で汗びっしょりになり、グリーンは最悪、ティーイング・グラウンドも無理して造設した感じで、あまりのコンディションの悪さに一周だけして帰ろうということになりました。午後までいるつもりだったので、お互いコンビニでおにぎりを買ってきていたので、それをどこかで食べようかという話になりました。私はすぐ近くに公園などが整備された「クレマチスの丘」があるので、そこへ行かないかと提案しました。しかし、彼女は冷房が効いたところで食べたいと主張。やむなく、ゴルフ場のすぐ上にあって歩いていける職場の1階の廊下に置かれたベンチへ行こうということになりました。日曜なので人もまばらだろうし、大病院というのは、まあ、そんな半公共の場みたいなところでしたので。
坂を途中まで登ったところで。
「あ〜、あたし、こんな格好してるし。知ってる人に見られたらマズいかも〜!」
ふいに足を止めて、彼女がそう言いました。あのう、ゴルフ・ウェア着ているのは、私も同様なんですけど。
そもそも冷房が効いてるところじゃなくちゃイヤだって言ったの、あなたでしょう?
でもまあ、そう言うのならやめましょうと私も折れて、せっかく登った坂を下り始めました。すると、彼女は久しぶりのゴルフで肩と腰が痛くなったと言い出しました。
「あったかいお風呂にゆっくり入ったら?」
「うちね、お風呂ないんです。シャワーだけ」
「あ、そうなんだ。じゃ、近くの温泉に行けば?あそこなら15分ぐらいで着くし、日曜でも早い時間なら空いているんじゃないかな」
「熱いお風呂に入ると貧血起こしちゃうのでダメなんです」
・・・それじゃあねえ、今後は何にもしないで、ひとりで静かにしていたらいいんじゃないですか。
もう私を誘わないでください。
そして、彼女とは二度とゴルフはするもんかと思ったのでした。
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