究極の選択


北風の冷たさは切れ味の鋭い刃物みたい



三島で過ごした夏休みの思い出といえば、ここ白滝公園



叔父に撮ってもらった中学生時代の写真



2015年の秋、隣に住んでいた叔父一家がふいにいなくなってしまいました。
失踪したのではなく、急な引っ越しでした。叔父一家にとっては急でも何でもなく、ちょうど私の家の建築中の時期と同じ頃に土地ごと家を売り払い、そのお金で三島に家を建てていたのだとあとから聞きました。
叔父は父の弟ですが、長年父とは不仲でした。祖母が亡くなった2010年を境に不仲が表面化し、叔父夫婦と私の両親は人に語るのも恥ずかしいほどの大人げないケンカ状態でした。引っ越したと聞いたときには、それほどまでにケンカしながら暮らすのがイヤになっちゃったんだろうな、とすぐに合点がいったほどです。

ご近所には「高齢になって御殿場の寒さがつらくなったから冬も暖かい三島市で暮らすことにした」と言い訳していました。
そりゃそうだと、これもすぐに合点がいきました。三島と御殿場では、5度以上も気温が違うことさえあります。冬場は三島まで行くたび、「あ〜、あったかいな、体が楽だな」と感じます。
しかし、夏場はその感想が逆転するのです。36度超えの猛暑の三島から御殿場に逃れて、28度ぐらいの「ほどほどの暑さ」に身を置くと「あ〜、やっぱり涼しい!体が楽だな」と感じます。熱帯夜はありません。昼間30度以上になっても、夜には必ず25度ぐらいまで下がるので、エアコンなしでも熟睡できます。

夏の三島の暑さは凄まじく、子どもの頃に三島市内の母の実家へ連れて行かれるとアセモだらけになり、熱帯夜に弱りきる経験をしたものでした。地球温暖化のせいか、最近の夏の三島は特に「子どもを遊ばせないほうがいいのではないか」と思うくらいの猛暑になります。

一方、先週末の「今シーズン最強寒波」の襲来で終日田んぼの水路に張った氷が溶けないほど冷え込んだ御殿場では、確かに寒風の中を歩いていると体にこたえる感じがしました。でも、今は昔と違って暖房器具もエアコンも発達してるし、ダウンだってフリースだってヒートテックだってある。

猛暑のときだってエアコンを効かせた部屋から出なければいいのですが、そうもいかない場合、着ているものを脱ぎまくったところで限界があります。「夏も冬も快適に」の強い味方ユニクロもエアリズムとかいう機能性下着で「着ているほうが涼しい」という画期的な路線を打ち出したものの、やっぱり猛暑には勝てません。

そこで思うわけです。
「冬はあったかいけれど夏はすごく暑くなるところと、冬はすごく寒くなるけれど夏は割と涼しく過ごせるところでは、どっちがいいのか」

叔父一家の選択が吉であるよう祈っています。



玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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