You are not alone.


Enrico と Katia



ものすごくお世話になったおばあちゃんとその孫



Paul と Saraご夫妻のことは忘れません



Amici.
イタリア語の「友だち」の複数形です。北イタリアへは基本は「ひとり旅」でしたが、実は決していつもひとりだったわけではないのです。なぜなら、どこへ行ってもAmiciがいたからです。

フィレンツェから小1時間で着く街ボローニャには、もともと友人だったEnrico(Enrico Galetta (http://www.enricogaletta.com) 彼はプロのミュージシャンで、ソロのCDも出してるベーシストです。わたしは国内外にベーシストのお友だちが大勢いるのですが、なぜベーシストと仲良くなるのかは謎)とKatiaのカップルがいたからこそ、ぜひ訪れたいと思っていました。

もう10年以上もFacebookでのお友だちでしたが、スカイプで会話したり頻繁にメールのやり取りをしたり、とても「一度も会ってない」人たちとは思えないほどの仲良しでした。実際に会ってみたら、やっぱり、とても「イタリア人と日本人」という違いがあるとは思えない(笑)ほど最初から意気投合。特にジョークのツボがまったく共通で、3人でゲラゲラ笑いながら楽しく過ごした一夜のことは生涯忘れないと思います。このふたりとは、絶対にまた会いたいと思っています。

このボローニャへの旅は、ちょっとしたトラブルから始まりました。電車が遅れて、予約してあったB&Bに着いたら、呼び鈴を押しても返答がないのです。困り果ててその建物の前にへたりこんでいたとき、少年を連れた女性が現れ、「この子をおばあちゃんのところへ送りに来たので、一緒に中へ入ったら」と声をかけてくれました。

彼のおばあちゃんは親切にも、見ず知らずの外国人であるわたしを小ぎれいなリビングに通してくださり、B&Bのオーナーの電話番号を調べて連絡を入れてくれたのでした。オーナーの到着を待つ間も、孫の少年と一緒にわたしをとても心配して、「お水でも飲んで落ち着いて」と、とても優しくしてくださいました。涙出そうなほど、ありがたかったです。

ヴェローナの街のシンボルとも言える丘の上のお城。そこを目指して急な坂道を必死に登っていたとき、眺めの良い坂の途中のポイントで、ニコンのカメラを構えるご主人とニコニコしながら脇に控える奥様に出会いました。「一緒のところの写真をお撮りしましょう」と声をかけたのがきっかけで、このご夫婦と仲良くなり、一緒に頂上のお城を目指したのでした。

おふたりはPaul とSaraと名乗られましたが、苗字は聞きそびれました。ロンドン郊外からいらしたとのことで、2時間半ほどのフライトなので、今後はこの素敵な街には何度も来たいものだとおっしゃっていました。必死に登った急坂だったのに、なんと反対側にケーブルカーがあることがわかり、3人揃って「知らなかった!」とぼやきつつ、帰りはそれに乗って街まで降り、川沿いの洒落たカフェで一休みすることにしました。

おたがいのことをいろいろ話しているうちに、わたしがパートナーと別れてからはずっとひとりだと言ったときでした。Paulが真顔でわたしを見つめ、こう言ったのでした。

.... You must remember this. You are not alone. Never, never alone.

日本語で言えば「決してひとりじゃないんだよ」と、いかにもわたしを説得しようとするかのような口調でした。結局、彼の言うとおりでした。わたしは行く先々でいろいろな人たちに助けられ、挨拶を交わし、笑い合いながら旅をしました。
フィレンツェのミケジランジェロの丘で出会ったハスキー犬とそのご主人の青年とか。
ヴェネツィアのムラーノ島を一緒に歩いたドイツ人女性ウッテとか。
フィレンツェのドゥオーモのてっぺんまで励まし合いながら登ったサンフランシスコのご夫婦とか。
ローマからの冒険の旅(それについてはいずれ)で出会ったBrandonとLaurenとか。
ほかにもいっぱい。

帰国して。
「これからは、もっと積極的に困っていそうな外国人旅行者には声をかけてあげなくちゃな」と、改めて固く心に誓ったのでした。


玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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