愛あればすべて良し

もう時効だと思うので、この写真をアップします。数年前にこのふたりの通訳を務めました。

見るからに仲良し。素敵な笑顔です。


生まれて初めて出会った女性同士のカップルでした。打ち合わせの段階でメールのやり取りをするとき「ご主人から連絡が入る」と聞いていたのに、メールの署名がアンナだったので、奥さんからのメールと思い込みました。でも文面に「妻の運転する車で」という記述があり、混乱しました。当日お会いして、ちぐはぐしたやりとりになったことをアンナさんに詫びたのですが、「どってことない。アンナは女性の名前だから」とさらりと受け流されました。

きっと同じような誤解や勘違いや、もっと不愉快な反応されたことも山のようにあったに違いない。でも、まったく気にしている感じはありません。ふたりは本当に気持ちの良い仲良しカップルで、アンナさんは頭が良くて礼儀正しく、どこへ連れて行ってもパッと財布を出してすべての支払いをこなし、優しくさりげなく奥さんをリードしていました。つまり、いわゆる男前。奥さんは明るく陽気で、つねに受け答えがはつらつとしていて、これまた好感度大。


お会いする前にご主人だから男性と決めつけた自分の考えの狭さが恥ずかしくなりました。今はハスキー犬と暮らし、とても可愛がっていると言ってました。子どもが欲しくなったら養子縁組でも考えるのでしょう。アンナさんの仕事の関係でもう日本にはいませんし、戻ってくることもないと思われますが、どこに行っても元気で仲良く幸せに暮らし、いつまでも仲の良いカップルでいることと信じています。

ふたりともアスリートで、後日フルマラソン(だったと思う)を完走したゴール記念の写真を送ってきてくれました。ご自宅から結構遠いところでの大会だったので、朝早く出発して、ハードなレースを完走して、それからまた車で帰ったのだと思います。「頑張ったよ、完走したんだよ!」と喜ぶ娘たちからメールもらったみたいで、とても嬉しかったことを覚えています。


もし本当に娘がいて、結婚したいと言って女性を連れてきたらどうしたら良いのだろうか。しかし、どんなに考えても、娘がアンナさんのような人を連れてきたのなら、反対する理由が見つからず祝福するしかないだろうと思いました。


ジェンダーによる偏見や不平等を無くそうっていうような法案(?)が成立したそうですけど。まともな説明はいまだに聞いたことも見たこともありません。どうせゴミみたいな内容を不自然な堅苦しい日本語で固めたものに決まっている。「偏見を持ってはいけません」って内容を法にするっていうことは、そもそも偏見ありきの話なのだから。そんなことより、さっさと同性婚を認め、同性の配偶者にも法的権利をあるとするだけで良いんじゃないでしょうか。ついでに夫婦別姓も良いじゃないか。多様性を受け入れる社会にするために必要なのは、結構シンプルなことではないかと思います。


相手が誰であろうとどんな人であろうと、愛ある者同士で一緒にいれば、とりあえず世の中は平和です。




玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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