今日は母の命日

勤務先の病院で母を送ってから今日で丸6年。昼休み散歩すると母がいた病室の窓を間近で見ることができて、思い出さない日はありません。あの日の朝も今日と同じような青空でした。下の写真は母を看取ってから、弟と叔母さんの3人で呆然と熱いコーヒー飲みながら眺めた青空です。この眺めもあのコーヒーの苦さも忘れられません。

あの年は本当に辛かった。

夏、母に施設に入ってもらい、入所時健康診断でガンが判明。隣の母屋にひとり残った父の認知症が進行し、運転を諦めないので仕方なくキーを取り上げたら暴れて警察沙汰に。そのまま父も別の施設に入所することになりました。

孤立無援でこうしたことの一切を進めたけれど、同居してない弟から「警察を呼ぶなんて」と反発され、以来姉弟の関係はぎくしゃくしたままです。

母は頑として治療を拒み、施設で穏やかに暮らし続けたいとはっきり言いました。それでも痛みを抑えるのは病院ではないとできないので、勤務先の緩和ケア病棟に入れてもらい、そこで最期の2週間ちょっとを過ごしました。


毎朝早めに出勤し、母の病室へ行って朝食の介助をする。ちょっとおしゃべりして「じゃ、仕事に行ってくるね」と言って部屋を出る。母から「気をつけてね」と言葉をかけられる。廊下を歩くだけでオフィスに着くのに。どういう状況になっても、母親は出かける子どもに「気をつけてね」って言うんですね。病室を出てから、廊下の先のベンチでちょっと泣いたこともありました。


でも、母を穏やかに送ることができたのだから、もう良いんです。あとでお花持ってお墓参りします。在宅勤務がありがたいです。平日だから弟は来ない。親戚も来ない。わたしだけでもこの日を忘れなければ良し。それで日々元気に生きればよろしい。そういうことです。

玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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