コシヒカリしかない町

そろそろ「文化」のある町で暮らしたいと強く感じるようになって来ました。それに従い、「文化」って何かなと考えるようになりました。今住んでいる町にあるもの。コシヒカリしかない。まあ、そうだけど(笑)富士山もあります。その麓に広がる陸上自衛隊の演習場もあります。ときどき、バンバン、ドーンと実弾演習してる轟音が響きます。何年かいちどに襲いかかる大雪なんかもあります。コシヒカリだけじゃなく、結構盛りだくさんです(爆)


じゃ、この町に無いもの。まともな本屋さん。美味しいコーヒーと静かな時間が魅力の喫茶店。まともなフレンチはかろうじて最近できました。予約とれないですけど。まともなイタリアンは、う〜ん、1軒あるかな。


だけど、この町に足りないのはそんなことじゃない。例えば、自然や景観を守ろうという住民の気概。例えば、美しく歴史を重ねた樹木を大切にしようという意識。そういう人々が暮らす町が醸し出す品の良さみたいなもの。


これは昨年の冬に切り倒されてしまった桜です。切り倒した理由はロジカルなものとは思えませんでした。この家のおばあちゃんがお嫁に来たとき、実家の庭の桜の枝を持ってきて、挿木にしてここまで育った思い出の桜なのに。この話をしたとき、東京からきた友人が「そんなストーリーがある桜を、どうして切ってしまったんだろうね」と言いました。今年、近所の銀杏の大木も切り倒されました。醜悪な派手看板で知られる大型スーパー出店のためです。うちの裏手の見事な枝垂れ桜の大木も理由なく切り倒されて早2年。


つまり、そういうことだと思います。ストーリーがあるもの、かけがえのない歴史があるもの、そこに美や価値を見出せるかどうか。


それが文化だと思います。

玲子のカルペディエム

カルペディエム Carpe Diemは「今を生きよ」という意味のラテン語です。毎年、誕生日に外国のお友だちがこの言葉を贈ってくれて気にいりました。今は富士山の麓でミニチュアダックスのみんみんと暮らしていますが、40年ほど暮らした東京からのいわゆるUターン組です。通訳や翻訳(英語)を生業とし、今は地元のがん専門病院で医療スタッフの英語のお手伝いをしてます。ジャズ、ブラジル音楽、歌舞伎が好きです。

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